ATX 3.1規格と12V-2X6電源規格
NVIDIAのRTX 4090の登場に伴い、450Wという膨大な電力要求に対応するための新しい電源コネクタが導入されました。その直後、コネクタの過熱が相次ぎ報告され、一部では永久的な損傷につながるケースもみられました。これを受けて、ATX規格はコネクーデザインの修正を含む形で更新されました。
ATX規格とは?
完全に機能するPCは、複数メーカーのコンポーネントを組み合わせて構成されています。互換性を確保するため、マザーボード、グラフィックスカード、電源ユニット(PSU)は、あらかじめ定められた規格に準拠しています。これがATX(Advanced Technology eXtended)規格であり、1995年にIntelによって導入されました。長年にわたり、ATX規格は、ハードウェア要件の進化に合わせて、これまで何度も改訂されてきました。
ATXが重要な理由
ATX規格は、異なるメーカーのコンポーネントを組み合わせたときに、確実に動作することを保証するものです。電源ユニットについても規定されており、各コンポーネントのコネクタ設計や準拠する必要のある安全基準なども含まれています。ユーザーはこれを参考にして、互換性や電力供給上の問題を過度に心配することなく、ATX対応コンポーネントを安心して選ぶことができます。
ATX 3.1の変更点
ATX 3.0では、GPU用電源として12VHPWRコネクタが導入されました。この単一コネクタは最大600Wを供給でき、従来のPCIe 6+2ピンコネクタに代わるものとして設計されていました。しかし実際には、RTX 4090などの消費電力の大きいGPUで使用した場合に、過熱が報告されるケースがありました。
ATX 3.1の主な変更点は、PSU用に12V-2x6 GPU電源コネクタが導入されたことです。 これは12VHPWRを改良したもので、接続の構造安定性を高め、過熱リスクを低減するよう設計されています。GPU側のソケットは従来と同じであり、GPUは12VHPWRと12V-2x6の両方の電源ケーブルに対応しています。
ATX 3.1電源は必要?
ハイエンドのNVIDIA RTX 40または50シリーズGPUを使ってPCをビルドする場合、ATX 3.1に準拠したPSUを強く推奨します。正しく接続されていれば、12V-2x6コネクタは過熱リスクを最小限に抑えながら、最大600Wを安全にGPUへと供給できます。
複数のRTX 4090または5090を搭載したトップクラスのシステムには、FUSION 1600 TITANIUMが理想的です。ATX 3.1に準拠しているだけでなく、80 PLUSとCybeneticsのTitanium認証も取得しています。
AMDでは、依然として多くのGPUで実績のあるPCIe 6+2ピンコネクタが採用されていますが、一部のRX 9070および9070 XTモデルでは新しい12V-2x6インターフェースが採用されています。このような場合には、ATX 3.1に準拠しつつ、PCIe 6+2ピンにも対応したCORE REACTOR IIなどのPSUを選択するとよいでしょう。NVIDIA RTX 40/50シリーズとAMDのRX 7000/9000シリーズの両方に対応できるため、、一般的な構成からハイエンドまで幅広い構成に適しています。
古いRX 5000シリーズやRTX 30シリーズのGPUを使用している場合でも、ATX 3.1 PSUには依然としてメリットがあります。アップグレードへの備えが改善されるだけでなく、システムの不安定化につながる可能性のある電力変動(瞬間的な電力スパイク)にも対応できるように設計されています。
電力変動とは?
ハイエンドGPUは、特にレンダリング、AI推論、高解像度ゲーミングなどの高負荷時に、PSUから一時的な電力スパイクを引き出すことがあります。PSUがこのスパイクに対応できないと、システムの不安定化や突然のシャットダウンにつながる可能性があります。
ATX 3.0規格では、規格適合PSUに対して定格出力の200%以上に相当する短時間の電力供給に耐えることを求めており、この要件はATX 3.1でも引き続き適用されています。
XPGのPSUはすべてATX 3.1に準拠しており、最大235%の電力変動に対応しています。これはATXの最低要件を上回る数値で、次世代GPUに向けた安定性とアップグレード耐性をさらに高めています。